ニィタの日記

アニメ、漫画、ボードゲームなど。Twitter:@niita0119

プリティーリズム・レインボーライブ 第13話

13話「心をつなぐ虹のかけ橋」

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「薔薇の力、見せてあげる」
「あたし、歌えない……」

ドリーミングセッション編の最終話。店長vsべる様回です。
さすがのべる様のプリズムショー。そして高まり切った後のステージに立たされ、「ステージの魔物」に飲まれてしまう店長。それを救うコウジのまさかの行動。1クール目の締めくくりに相応しく、これまでの伏線の清算と共に凄まじいインパクトを与えるお話です。

  • 前話のラストではわかなに丁寧に負けを認めたあんちゃんだが、プリズムショー辞めなきゃいけないことに取り乱して泣く。年齢相応の不安定さもあるが、ステージの中と外で切り替えができる子であることも分かる描写
  • そして、転倒を気遣って控室まで来てくれるカヅキ先輩
  • 店長「私の出番に『なっちゃった』」一方で、取り乱すあんちゃんの不安は店長にまで伝染し、ショーが来ることを思わず忌避してしまう。ステージに登る前から既に雰囲気に飲まれつつある
  • おとはに対して丁寧な受け答えをするべる様だが、控室には散らかされた薔薇。べる様はストレスを感じている時、誰も見ていないところで物に当たる癖がある
  • 氷室会長と審査員との確執。現状を「エーデルローズの一人勝ち状態」と表現する会長。仁は審査員とつながっていた訳だから、審査員を仁のようなただ正確なショーを評価するような人材だけで固め、エーデルローズではそのようなショーを教え込む、という癒着の構図があったのだろう。そして会長でありながら、おそらくそれに気づいていないため、有効な対策は打てない氷室さん。
  • 「ありがとう。でも3連続ジャンプが見れなくて残念だわ」とことんわかなに対して毒を吐いていくべる様。他人を蹴落とすエーデルローズ式が身についてしまっている
  • べる様のショー。やはりよいなあ。ストーリー的には素直に楽しめないんだけど。
  • 店長「同い年なのにどうしてこんなにすごいの」
  • りんねちゃん「さみしい……」
  • 氷室会長「その演技は華やかである一方、どこか悲しく息苦しい」
  • モモ「腹減ったモモ」
  • 四者四様の反応。モモは大物なのか、プリズムワールドと関係ない人間のショーには興味ないってことなのか。
  • そして、ショー終了後、店長を威嚇するべる様。これで店長は完全にステージに飲まれてしまう
  • 「ステージを楽しめばいいんだよ」とクーさん。この時の店長に足りていないものは確かにそうだが、実際それが本人に響くかは別。やはり「大スター黒川冷」の意見であって、ほぼ素人である店長には響かないか
  • 「やりたくなければやらなくていいモモ」一方でモモのテキトーな意見。これまた真実ではあるが、こういう風に言われると「じゃあやらなきゃ」と思ってしまうのが人間な訳で、むしろ店長を追い詰める最後の一言になってしまったような感もある
  • 心配するりんねちゃんも、りんねちゃんの保護者のように振舞ってきた店長からすれば、りんねちゃんを不安にさせないようにしないと!と余計に気負わせてしまった
  • 緊張の中、ついにステージに上る店長。まばらな拍手。自分の心臓の音。色が消える景色。完全にアウェー
  • 音を色として認識する共感覚に頼ってショーをしてきた店長は、歌の色が見えないと何もできない
  • 「さよなら。綾瀬なる」生意気な店長を蹴落としてやったと微笑むべる様。しかし十数話後にこのセリフは自分に返ってきて「さよなら、べる」になる……。
  • 店長とべる様は大観客の中、大切なステージの上でショーができなくなるという同じ経験をし、しかも互いがその一因になっているという因果な二人。下手すれば不倶戴天の敵になっているような関係。だからこそなるべるは尊いんだなあ。
  • 「お前が作った歌はみんなを不幸にするんだよ」「お前の歌で輝けるのは世界でただ1人速水ヒロだけだってことをな!」一方で、店長がドリーミングセッションに参加することになる手引きしたヒロ様も店長をテコにコウジを責める。やはりこの時点のヒロ様にとって店長はコウジを追い詰めるための道具に過ぎなかったのだな。だからこそ最終話のヒロなる描写も輝く
  • (歌って……)コウジにテレパシーを飛ばすりんねちゃん。さりげなく人外。ネタ抜きに言うと、店長の成長がこの二人に支えられているということの象徴的なシーンだ。
  • そして、「ハート♡イロトリドリ〜ム」を歌い出すコウジ。多数あるRL衝撃シーンの中でも五指に入る瞬間。そしてそれを見るヒロ様の表情といくらなんでも慌てすぎな反応。シリアスなシーンなのにあまりに面白いwいや本当にシリアスなんだけど!
  • そして「アイツか!?」と、やはりコウジに反応するいとちゃん
  • 店長の世界に色が戻り、セブンスコーデが進化、さらに3連続ジャンプを決める。
  • 世界の色を取り戻す展開は50話でプリズムの煌めきを取り戻すためにショーをしたことの予告という意味もあったのかもしれない。同じ展開の反復は物語の基本
  • エーデルローズ勢がみな驚愕し、焦るなか、ただショーを楽しんでいるおとは。エーデルローズに所属しながら、ただ一人毒されない個性は作中最強じゃないかとも思える。しかし毒されないが故、べる様とわかなの庇護がなければ他人に蹴落とされていた訳でもある。
  • コウジ「ヒロ、僕はもう逃げない」オバレの間でのキーワード、「逃げる」。ヒロに対するコウジの宣戦布告。まあ別にコウジから何か仕掛けていく訳ではないんだが。
  • 「どうして、僕に歌をくれないんだ!この速水ヒロが神浜コウジの歌を一番うまく歌えるのに!」ヒロ様の慟哭。素直になれない男。
  • 店長のショーを見た審査員の一言が「困りましたね」。ショーによる盛り上がりや、新しい形のショーへの挑戦を評価するのではなく、ルールブックにないことをされたことへの困惑だけがある。
  • そして、べる様の高得点に歓声をあげる一方、店長の0カラットに明らかに困惑する観客。観客と審査員の意識のズレ。
  • 「なんと愚かな」そして氷室会長もまた少しズレた所にいる。
  • 「べるさんが言っていたこと分かりました」「もっと練習して、すごいショーができるように頑張ります!」
  • 「ふざけないで!」「あんたみたいな子、大嫌い!」
  • 店長を潰すつもりが、かえって成長させてしまったべる様。物凄い剣幕で当たり散らす。
  • 「負けてしまいましたが、大切なものを手に入れることができた気がします」と能天気な店長ナレーションで締められる。実際、得点的にはエーデルローズSチームが大差で勝ったわけだが、わかなもべるも、試合はしていないがヒロも、相手に想像の上を行かれ、精神的には追い詰められる側になってしまった。まさに「試合に勝って勝負に負けた」という状態。
  • プリズムショーの経験が十分ではないプリズムストーンが、奇跡の力で勝つというような展開ではなく、格上相手に追いすがる迫力と意地を見せ、これからの成長の余地を感じさせる展開はクール最後にふさわしいものでした。
  • あと、地味によいと思ったのが、あんちゃんと店長が後攻で試合には負けているという所。ライブバトル展開だと後攻が勝つのがパターン化していて先が見えてしまうことも多いんですが、試合には負けて盤外での別な要素では勝った、というような展開は、いろんな話の可能性を感じさせてくれて、他のアニメでも増えるといいなと思います